
旺文社は、東京都立晴海総合高等学校で実施されている企業連携型の探究学習に、2024年から3年連続で協力しています。
このたび、高校3年生を対象とした 「探究II」 授業協力の一環として、当社イノベーション推進室所属・岡崎 祐樹(おかざき ゆうき)が、2026年10月17日同校の特別講演に登壇しました。
《 『好き』 と 『仕事』 を掛け合わせて、自分ならではの生き方を。》 というテーマのもと、高校生の仕事観に訴えかけるキャリア探究の講演。
料理や登山などの趣味をSNSで発信するといった活動から得られた “学び” と経験が、本業の仕事にどう作用したかなど、高校生の好奇心を刺激する話が繰り広げられました。
探究授業へのアプローチ、生徒たちの反応とあわせて、講演当日の模様をレポートします。
*2026年度 「探究」 授業連携の取り組みについては、こちらの記事をご覧ください。
「企業の成長」 と 「個人の成長」 がシンクロする世界線から
東京都立晴海総合高等学校では、3年次に実施する 「探究II」 の授業において、 「実社会の課題解決に協働して取り組み、社会への関心を高め他者理解を深める」 といった目標を掲げており、実際の企業との積極的な授業連携を進めています。
旺文社はこの取り組みに2024年4月から協力しており、「探究」 の課題や成果に対するフィードバックを提供するなど、先生方や生徒たちと交流を続けています。
今年度も旺文社からは、人々を新たな “学び” にリードするための独自のビジネスプランを考案するという、難度の高い課題を提供。
この探究活動のヒントともなるよう、当社でイノベーション推進室に所属する傍ら、株式会社旺文社ベンチャーズでCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)も担当する岡崎が、高校3年生に向けた特別講演に登壇しました。
高校生にとって馴染みの薄い 「企業投資」 の領域をかみ砕いて説明し、「企業の成長」 が持つ意味を身近に感じてもらうことに加え、社会人としての趣味と仕事への向き合い方という話題から、講演テーマの核心は 「個人の成長」 という視座へ。
多彩な趣味を持つ岡崎本人の経験を交えながら、高校生たちに将来の働き方・生き方を考えていくことの大切さ・楽しさを投げかけます。
▼講演への興味をもってもらうために事前配布されたプリント

事前に実施したアンケートでは、高校生たちから質問や悩み相談が、実に300件以上も寄せられました。
会の後半には、リアルタイムで質疑応答。SNSに関するユニークな問答や、仕事のついての本質を突く質問なども飛び出し、今後の探究活動や生徒自身のキャリアを考えていく上でのヒントが提示されました。
「CVC」 って何…?老舗出版社が取り組む意外な一面
1時間目の号令を機に講演がスタート。
まずは、登壇者の岡崎が自己紹介を通じて、自身が担当するCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)の活動について語ります。
▼多彩な趣味や本業以外の活動に生徒も興味津々

▼ 「CVC」って何だろう…?(高校生には馴染みの薄い世界で少し不安)

高校生には縁遠いCVCの世界も、実は自分たちが使っているサービスや、知っている企業とのつながりがあるとわかると、少し身近に感じられそうです。
▼株式会社旺文社ベンチャーズは教育系スタートアップ企業に出資して成長を支援しています

株式売却を目的とした企業への投資(VC)とは異なり、自社の事業と近い領域のスタートアップ企業へ外部投資するというCVCの取り組みについて説明を受け、出版社=古い会社というイメージとは異なる意外な一面に、新鮮な驚きと反応を示す生徒も見られました。
投資判断で重要な評価ポイントは? 高校生の探究活動にも直結
CVCでは自社の資産を運用する以上、投資先の選定は当然シビアになります。
候補の企業によるプレゼンテーションをどのように受け止めて、ジャッジするか。
――裏を返せば、投資を受ける企業側には何が求められるか。
探究活動でビジネスプランの構築に取り組む晴海総合高等学校の生徒も、自分たちの取り組みについて、どのような部分が重視されるか、評価のポイントになるのか、力の注ぎどころについて関心が向かう場面です。
大事なのはチャレンジしようとする人の「熱量」。
「私(あなた)だからこそ、これができる」 という説得力の裏付けには、提案する側の、ある意味 “泥臭い” パッションが必要。
――この考察には、生徒たちにも大きな “学び” があったようです。
「企業の成長」 の話から、後半は 「個人の成長」 の視座へ向かいます。
会社員&YouTuber の二刀流で切り拓く新時代のキャリア
事業のイノベーション推進やCVCといった 「本業」 の傍ら、料理や登山といった趣味を楽しみ、それをコンテンツとしてSNSで発信している一面も持つ岡崎。
プライベートの充実とともに、働き方改革を経て、昔では考えられなかったような柔軟なワークスタイルが可能になった、現在の会社生活について語ります。
趣味での活動が単なる 「副業」 となるに留まらず、動画制作やSNS配信などで得られた知見やネットワークが、本業である仕事にも活かせる場面が出てきたとのこと。
もちろんうまくいくことばかりではなく、むしろ試行錯誤や挫折を経て得られるもの、またひとつの活動を 「続けること」 の難しさと大切さが、本人の経験談として高校生たちに共有されました。
▼自分ならではの価値が企業や社会の成長にもつながる世界線

事前に寄せられた質問でも、「自分が好きなことと将来の仕事に対して、どのように折り合いをつけいけばいいのか」 といった内容も多く、「キャリアは仕事一本でつくる時代ではない」 といった考え方は、高校生たちへ大いに刺激になったようです。
▼高校生からの質問・悩み相談に真剣回答

そのほかにも数々の質問や抱えている悩みに対して、時間の許す限り回答。
・ 「受験勉強のモチベーションがわかない・・・」
・ 「就職を考えているが、高校生のうちに何を学べばいい?」
・ 「動画の再生回数を上げるために工夫していることは?」
・ 「 〈熱量〉 を人に伝えるためにはどうすればいい?」
――など、さまざまなジャンルで質疑応答があり、生徒たちからその場で手が挙がる場面もありました。
聴講された先生・生徒の感想
今回の講演を聴講された晴海総合高等学校の先生・生徒のみなさんに、感想をおうかがいしました。
今回の講演では、CVCという高校生にとって馴染みの薄い仕組みを通して、企業が新たな価値を生み出し、社会の課題解決に取り組む姿を知ることができました。生徒たちにとって、企業活動をこれまでとは異なる視点から捉える貴重な機会になったと思います。
また、その後の探究授業では、企業の方々から直接助言をいただくことで、自分たちのアイデアを見つめ直し、考えを深めることができました。今回の学びを、今後の探究活動にもつなげてほしいと考えています。
仕事×興味というのが新しい視点だと思いました。自分に合う仕事へ進むのか、自分の興味と合致した仕事へ進むのか迷っていたので、とても参考になりました。
失敗を繰り返しながら、解決策や問題を探していきたいです。どんな経験もどこかで役に立つことがあるため、無駄だと思わずいろいろなことに挑戦していきたいです。
本日のお話をきいて、仕事と好きなものの関係は、時代の流れによって変わっていっているのだなと思った。「やりつづけていけること」に対して、自分の好きなことや興味関心を諦める必要がないこと、むしろそれが強みになると気づけた。
今回の講演を通して、大学での学びを将来につなげなければならないと思いこんでいたが、全てを役に立てると気負う必要はなく、むしろその気持ちを武器にすればいいという話を聞いて、少し安心した。
自分の好きなことを、周りや社会につなげていける考え方を学び、自分の人生を豊かにするために、働き方、生き方を問いながら生きていきたい。
私はこれまで、将来の進路や仕事について考えるとき、勉強や就職に必要なことを中心に考えていました。しかし、今回の講演を通して、今のうちから自分の興味や関心を大切にし、様々なことに挑戦することも将来につながるのだと感じました。
これからは勉強や進路に向けた準備を頑張りながら、自分の好きなことにも積極的に取り組み、将来に生かせる自分だけの強みを見つけたいです。
高校生の学びや進路を支える取り組み
旺文社が展開する出版・教育事業は書籍やサービスの提供を含め、あらゆる形で高校生の学びや将来に深く結びついています。
今回の授業協力を通して、高等学校ならびに高校生から直接得られたフィードバックを基に、旺文社は学びを支える書籍や学習サービス、進路・進学を支援する教育情報を一層充実した形でご提供できるよう、教育出版社としての取り組みを推進してまいります。
旺文社の受験情報誌・進学支援サービス
協力校のご紹介(東京都立晴海総合高等学校より)
21世紀の社会において、技術革新等により産業・就業構造が大きく変化することを予測し、将来の職業選択を視野に入れた自己の進路への自覚を深めさせる学習、生徒の個性を生かした主体的な学習、学ぶことの楽しさや成就感を体験させる学習を提供することをミッションとした学校が総合学科高校であり、そのフラグシップ的存在と言われる学校の一つが、私ども晴海総合高校です。
1996年に開校してから、昨年度30周年を迎えました。大きな特徴は、単位制であること、そして普通科で学ぶ授業に加え、専門学科に設置されているような科目を自分の意思で選び学べることです。
さらに本校においては、「ノーチャイム制」、「ノー放送制」 であることも大きな特徴と言われています。また国際交流にも尽力し、令和8年4月1日には仏大統領夫人、ブリジット・マクロン氏も来校されました。
学びの中核にあるのは、キャリアガイダンス ( 「産業社会と人間」 の授業内を中心に) と、探究学習 ( 「探究I」 「課題研究」 「探究II」 の各授業) です。これらの特徴的な学びの充実に欠かせないのは、企業様や上級学校様などを中心とした外部の方々の協力です。本校はこれからもさまざまな方々からのご協力を頂きながら、教育活動の充実に努めて参りたいと考えております。


