『螢雪時代』2023年8月号より掲載
<前編から続く> 『螢雪時代』で好評連載中の超一流の先生方へのインタビュー記事、『シリーズ「知の探究者」』。
「学び」とは何か? を先生方に改めて問いかけ、受験勉強で見失いがちな「学ぶ」という行為を、本質的に考え直す機会を提示しています。今回は人間の営みが芸術に変換される視点と場の形成に関する研究をされている京都芸術大学の松井利夫先生の後編です。

アートが人々の世界や価値観を
広げていく

社会におけるアートの役割とは何でしょうか。「陶芸」の枠に収まらない、幅広い活動を展開されている松井利夫先生に、アートを学び、実践する意味を聞いてみました。
編集協力:(有)サード・アイ 取材:金丸敦子 写真:石原秀樹
前回からの続き
――予測できない偶然が生む面白さですね。
松井 近代芸術は人間がいかに自然に打ち勝つかという人間中心主義です。初めから意図してつくるのなら良いけれど、サイネンショーのような偶然性は認められません。プロはある程度結果が予測できますが、しかしそこから生まれるイノベーションなんてたかが知れています。それに対して一般の方と一緒にやると、プロなら絶対にしないことをしたりするので、とんでもない、ドラスティック1なことが起きるんです。


