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『螢雪時代』 2024年9月号より当時のまま掲載
月刊誌 『螢雪時代』 で好評連載中のこのエッセイは、内田先生が 「いま、高校生に伝えておきたい」 ことをテーマに取り上げ、つねに何かに追われ、悩みを抱えている高校生に送る、温かく、心に響くメッセージとなっています。
先日、高校の国語の先生たちの集まりに呼ばれました。
その時の控室では高校生の国語力の低下が話題になりました。
いつの時代でも「最近の若いもんはろくに日本語が使えん」とぷりぷり怒る大人がいたものです(僕だって言われました)。
ですから、そういう言明には簡単には頷かない方がいい。
それでも、もしほんとうに国語力が低下しているとしたら、それは他の教科の学力低下よりもはるかにシリアスな問題であることは事実です。
母語運用能力の低下は、個人の能力の問題にとどまらず、日本という国そのものの危機を意味しているからです。
その話をします。