シリーズ 知の探究者/No. 003 養老孟司先生(後編) 「学び」とは、自分が変わりながら身につけていくもの
更新日: 2025/11/19
公開日: 2025/11/19
『螢雪時代』 2024年7月号より掲載
<前編から続く> 『螢雪時代』で好評連載中の超一流の先生方へのインタビュー記事、『シリーズ「知の探究者」』。
「学び」とは何か? を先生方に改めて問いかけ、受験勉強で見失いがちな「学ぶ」という行為を、本質的に考え直す機会を提示しています。今回は『バカの壁』など、多くの著書で現代社会に警鐘を鳴らす養老孟司先生の後編です。
→養老孟司先生のインタビュー全記事は『螢雪時代』2024年7月号に掲載されました。全文を読みたい方はこちら

「学び」とは、自分が変わりながら
身につけていくもの

大の虫好きでも知られ、自然とヒトとの関わりについても思索を重ねている養老孟司先生。自身の昆虫標本を収蔵する「養老山荘」でお話をお聞きしました。
編集協力:(有)サード・アイ 取材:金丸敦子 写真:石原秀樹
前回からの続き
――私たちはニュースなどの「情報」をもとに未来を知ろうとしています。
養老 未来のことをいくら考えてもわかりません。ニュースを見るのは別にいいんです。ただ、見終わったら「とはいえ、済んでしまったことだ」と一言つけ加えろ、と思っています。ニュースは最新のようでいて、実は報じられた時点ですでに過去のものです。それは動かしようも、変えようもないんです。だから、最新のニュースをチェックしているのは、近過去ばかりを追いかけている人です。そんな人に未来があるわけありません。さまざまな可能性があって、どうなるかわからないのが未来ですから。
