自己理解と進路設計をつなぐ『螢雪時代&パスナビ』を活用した進路探究ワーク授業事例

更新日: 2025/5/9 公開日: 2025/5/9

総合型選抜や学校推薦型選抜の増加に伴い、総合的な探究の時間や進路指導において、生徒の自己理解を軸とした進路・キャリア設計の重要性が増しています。弘前学院聖愛高校では、「自己理解」と「学びたい学問」をつなげるワーク授業に『螢雪時代 臨時増刊』や『大学受験パスナビ』を活用。その実践事例をお届けします。

弘前学院聖愛高校の概要

弘前学院聖愛高校は、青森県弘前市にある私立のミッションスクールです。1886年に女子校として創立し、2000年に男女共学となりました。部活動も盛んで、2013年の夏の甲子園に初出場した硬式野球部をはじめ、全国大会・東北大会に出場する部活動も数多くあります。

進学面では、特別進学コース、総合進学コースの2コースがあり、総合進学コースには進学・就職を目指す総合クラス、文系進学クラス・理系進学クラスが設置されています。近年は合格実績を伸ばしており、地元の弘前大学をはじめとした国公立大学に両コースから進学しています。

また、併設の中学校もあり、中高一貫教育を受けた生徒たちのなかには東北大学、筑波大学などの難関国立大学に合格する生徒もいます。

「やりたいこと発見」と「地元志向対応」に向けた旺文社の教材活用

弘前学院聖愛高校で進路指導にあたる進路指導部長の堰野端(せきのはた)史仁先生は、「本校には多様な進路を目指す生徒が在籍していますので、個々がやりたいことを見つけ、やりたいことを実現する場所を見つけ、そしてそのための学力を身に着ける。この3点を重視して進路指導をしています」と話しています。

進路に関する資料を置いた「ガイダンスルーム」には月刊誌の『螢雪時代』や『螢雪時代臨時増刊号』を置き、生徒が自由に見られるようにしています。特に総合型選抜・学校推薦型選抜に関する内容については、同校でも受験する生徒が増えているためよく読まれています。

弘前市には国立大学の弘前大学のほか、系列の弘前学院大学など複数の大学が立地しています。生徒たちの地元志向や大学進学意欲は強い傾向にあるものの、学問分野や職業選択の視野が広がりにくいという課題も感じています

学部・学科研究や学校研究を通して、多様な学問や職業に目を向けるきっかけになればという思いで、2年生の進路ガイダンスで『螢雪時代4月臨時増刊』付録の「進学プランニングBOOK」のワークシートを活用しました。 

「自分深掘りワークシート」と「学部・学科イラストガイド」を活用した進路探究

2025年4月8日、新年度の始業式当日に歴史ある礼拝堂で開催された2学年向けの進路ガイダンスでは、「進学プランニングBOOK」のワークシートが活用されました。生徒たちはガイダンスの事前学習として、“自分”深掘りワークシート①で自分の性格や興味・関心をまとめました。

生徒からは「普段から自分のことを考えることがなかったから、自分を考えるよい機会になった」、「自分を客観視して強みを見つけることができた」など、自己理解に役立ったという声が多くありました。

その後、生徒たちは“自分”深掘りワークシート②を書き進めました。ワークシートは「就きたい職業」→「学びたい学問」の順番となっており、記入を進めながら自分の将来を考えることができます

生徒たちは手元にあるワークシート①を見返しながら将来の生活の中で大事にしたい価値観や職業についてまとめた後、タブレット端末で「学部・学科イラストガイド」を表示し、自分の興味・関心のあることをどの学部・学科系統で学べるのかを確認しました。

学部・学科イラストガイドでは18の学部・学科系統について、イラストを見ながらわかりやすく知ることができます。学部・学科イラストガイドを見た生徒からは

「文面で整理すると難しい学部・学科をイラストにしていたので自分の将来や進路にあった学部について学ぶことができました」

「学部の名前だけ知っていてどんな内容なのかが分かっていなかったが、学ぶ内容を理解できた」

「自分が想像していたよりもかなり多種多様な学部学科があることを知れた」

という声があがりました。

「パスナビ」大学検索で、気になる大学の深掘りと広がる選択肢

学びたい学部・学科研究の次は、「パスナビ」を用いて、その学部・学科がある学校調べを行いました。

生徒たちはタブレット端末から「パスナビ」にアクセスし、先ほど確認した学部・学科系統から大学を検索します。気になる大学を調べるのはもちろんのこと、ここで「〇〇大学でも学べるんだ!」という新しい大学との出会いが生まれます

そうして生徒たちは気になる大学の学部・学科に関する詳細や入試の情報、「合格体験記」などを確認しながらワークシートに大学名を書き込んでいました。

「人生計画の役に立った!」生徒の声と、先生の評価

一連のワークを終えた生徒からは次のような感想がありました。

「まずは情報を集め、自分を知ることがとても大切だということがわかりました」

「1,2年生のうちから勉強はもちろん自分が行きたい大学、就きたい職業を明確化させることの重要性がわかった」

「自分が本当にやりたいことを考え直し、自分のこれからの人生計画に役立った」

堰野端先生は、「パスナビについては入試科目や倍率、ボーダーラインなどを網羅しており非常に優れたポータルサイトだと感じており、合格体験記など先輩の具体的な体験談については生徒も興味を持って見ていた。パスナビfor schoolに載っている編集記事なども時期に応じて生徒に紹介していきたい」と話しました。

ワークショップで活用したコンテンツをダウンロード

活用したワークシート授業用のファシリテーション原稿も掲載した指導案はこちらのページの「今すぐ無料ダウンロード」から ▸「自分深掘りワークシート」螢雪時代臨時増刊ワークシート無料ダウンロード

学部・学科の探究に最適で、ワークシート②と組み合わせて活用した「学部・学科イラストガイド」はこちらのページから ▸「学問イラストガイド」・「学部・学科イラストガイド」記事PDF提供サービス